カゴメの株主

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カゴメといえば、知らない人がいない、あのトマトのカゴメ。同社は個人株主を増やしていることで話題になっていますが、特に今日、大変に興味深い話を聞いてきたので、心に残っている2点について書き留めておきます。

まず、カゴメでは「会社は誰のものか」ではなく「会社は誰のためのものか」を考えているという。なるほど、所有権に焦点をあわせたのではなく、目的意識から切り込んでいるところがなかなかにくいですね。すべてのステークホルダーに対し、これだとかなりフェアな感じがしてきます。

もう一つは、カゴメの株主に対するアンケート結果です。TOBを仕掛けられたときに、いくらなら売りますか、についての問いに対し、1.5倍とか2倍で売る、と回答した人たちは、数十パーセントにとどまっていました。これだけでも、米国などから見れば驚異的なことらしいのですが、なんと何倍になっても「売らない」と回答した人が44パーセント程度いる、というのだから、これが驚きです。

何倍になっても「売らない」と回答した人の心理を考えてみました。株主優待で、年に2度ほど新商品の詰め合わせが送られてくる、商品を割引で買える、年に一度程度、株主への試食会を開催してくれる、などの特典があるようです。果たして、これだけでそんなに魅力的なのでしょうか。

カゴメの株主戦略勝因が物語るものは、上記の理由で十分に満足をしている人が何十万人もいる、という事実です。株を買って儲けたいのではない、株を買って「生活を楽しくしたい」のだ、と理解しました。

こう考えてくると、株主と会社の関係における新しいスタイルが出てきているのではないか、これから始まるシニアの時代には、このような形の株式投資が流行るのではないか、従来のどうやって株で儲けるかに加えて、どうやって人生を楽しく過ごそうかの選択肢の一つとしてどこの株ならその目的を果たせるか、で投資行動がなされるのではないか。そんな時代の到来の予感です。

投資活動における消費者行動、これは多様化の時代を反映して、今後はカゴメの株だけに人気が集中するのではなく、それこそいろいろな企業の株が買われるようになる、といったロングテール効果も期待されるのではないか、そんなふうにも考えた次第です。いかがでしょうか。